工場が爽やか路線に転換しつつある

最近のDTP依頼のお話をしていきたいと思います。
何故かはわかりませんが、個人的にここ最近、製品部品の工場からの会社案内ないしパンフレットの依頼が重なりました。製品部品工場をひとくくりに言ってしまいましたが、実際にはプラスチック製品も金属製品もゴムも、もっと言えば金型なのか塗装なのか。何を専門にやっているのかは様々でしたが、どこも男性的なイメージを好んでおられるお客さんでした。

そこで気になっていたのは(もちろん同時期だったというのも気になりますが)一様に爽やかなイメージに転換したいという要望が殆どだったことです。いちいち空のイメージ写真をいれて欲しいだとか、緑の爽やかな(環境にも配慮していますよ)イメージで作ってほしいと、まるで先方同士で打ち合わせでもしたかのように皆さん似たようなご要望でした。ああ、これが時代なのかなあ。

工場と言うと縁の下の行程です。小売店が懸命に購買意欲を高めようと装いを美しく保っているところと比べてしまうと、少し泥臭い印象を受けるでしょう。実際打ち合わせをしにいくと、自分の装いなんて顧みずに作業に没頭している方を多く見かけました。まあ、だいたい想像はつくかと思いますが、人に見られるために仕事をしているわけではないですしね。

そんな印象を払拭したいと言わんばかりに、皆さんが揃って口にしていたのが「明るい」とか「爽やか」とか「清潔感」といったようなワードでした。恐らく自分たちの仕事が本当は泥臭いと思っているけど、出来ればそこはオフレコでいたいという思いがあるのではないでしょうか。

先方が一様に爽やかさをアピールしたい要因として、工場が環境問題に直面したからという背景もあるかと思います。高度経済成長を迎えてからというもの、2000年代以降からどの工場もISO認定(品質やら環境やらの国際的な認定)をとるようになってきました。うちの会社は環境問題と向き合いまた社員の健康も考えて体に害のない材料を選んで使っています、と。場所によっては「エコアクション」だの「環境対策型素材を使用している」だのを会社案内に記載する所もありました。

そんなこんなで、工場を持つ会社は爽やかで明るいイメージを押し出したい(環境に優しそうな緑、爽やかな青空)のだろうなと思います。


2000年より少し前の会社案内といえば、どちらかと言うと最先端を担う技術を持つかっこいいイメージを主張したかったのではないでしょうか。一時期なんだか流行った、黒背景にいちいちライトに色をつけたやつとか。マザーボードをわざわざ広げて、こんな細かいことをやってるんだよアピール。

それを思うと、今の要望とは全く変わってきたように思います。私はそんなに昔に仕事はしていなかったので詳しくはわかりませんが(まだ小学生でした)当時作成された印刷物を拝見するとそんなイメージのものが目につきます。

時代は変わり、そんな黒背景は取り除かれつつあります。(その名残なのか、黒背景カラーライトのブームはモーショングラフィック・3Dモデリング・ゲームなどの仮想空間で引き継いでいるような気もします。)

今はどこの会社も白背景に青空やら緑やらです。

ですが私はこの流れに少し疑問を感じてしまうんです。

というより、この黒背景カラーライトのブームを否定したくないんです。多分私が映像の人間でもあるからなのかもしれません。だってかっこいいじゃないですか。

これはいい意味でいいますが、工場とはこの泥臭さこそ誇るべき姿なのではないかなあと思っています。

泥臭いという言葉が悪いのかな。探求心が強く、真っ正面から作業と向き合っていて、自分の装いなんて顧みてる場合じゃないというような、とても集中した印象をどこの工場でも受けました。精密機器を扱っている会社なんて、本当にミクロ単位で検討しているわけですし、その研究者のような追求の仕方は決して爽やかな風が吹き込むような内容ではないにしても、かっこいい姿だと感じています。先日も書きましたが、努力する姿というのは殆ど表にでてきません。だけどとても素敵な姿だとは思っています。

そう思っている矢先。また新たに入ってきた会社案内作成の依頼は、先方がビジュアルイメージが特になかったのでこっちのアプローチで作成しました。(先輩にはエヴァみたいと言われましたが)現在年末なので先方確認待ちですが、反応がどうでるかドキドキです。

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