フセインチャラヤン

 

ファッションデザイナーのフセインチャラヤン(Hussein Chalayan) が前々から少し気になっています。この人は、大学の卒業制作や、オートクチュールの彼の斬新なファッションには土器某抜かれましたが、2012年より「Chalayan」と名称を変更し、一見すると落ち着いたかのように見えてきましたが、その心はまだあの斬新なアイデアとテクニックで一杯です。
まず世間を衝撃させたのは彼の卒業コレクション。
シルクのドレスを数ヶ月もの間土に埋め腐食させた作品です。遺棄された女性ダンサーの生き様と末路までの、ショートストーリーを落とし込んだ作品です。コンセプトにど直球な作品だなあ。
洋服を破壊するというテーマでアウトプットしている最近のデザイナーを言えば、韓国出身のブランド99%IS「ナインティンナイン パーセント イズ」の 2016 S/S collectionもありますね。
「破壊」をテーマとして、現在のファッションに疑問を抱いたデザイナーが、
既存の洋服を「破壊」し、「再構築」するという奇抜なコレクションを発表しました。
そちらが「いい」「悪い」を言いたいわけではありません。むしろどちらも、
これまでのファッションのあり方を考えさせられる素敵なパワーがあると感じます。
ですが同じように「服を分解する」という発想であるにも関わらず、チャラヤンは自身の問いかけにとても素直に向き合っているように感じます。
99%ISのコレクションは、むしろ理系的な考えのように思われます。分解と再構築の段階を踏むことで、全く異なる魅力を引き出す。服について正面から向き合い、突き詰めた作品であると言えるでしょう。
一方チャラヤンは、人間と服を一体と考えているからこそ、なのでしょうか。
切っても切れない関係、むしろ服の方が人間らしさを感じてしまう程です。
その後、奇抜なアイデアが目に止まりますが、特にテクノロジーを駆使したコレクションをピックアップしてみます。
この時代は、「洋服」をデザインしているのではなくそれを着る「人間」あるいは「人間性」を
デザインしているように感じます。モデルはあくまでも無機質に振舞っていますが、付随する光や服の動きが妙に「生きた」動きをしています。このギャップが、服をより魅力的に見せているのではないでしょうか。まるで抜け殻のような人間と、人間の心が乗り移ったかのように何かを訴える服、といった感覚です。
その乗っ取った服への恐怖と、ビジュアルの美しさに、私はとても魅了されました。
 pexels-photo-247314
こんなにも素直に、奇抜なファションを追い求めているチャラヤンですから、
きっとプレタポルテ(既製服、大量生産する服のこと/ オートクチュール= オーダーメイド服)
でも奇想天外な作品を作るのでは?と予想していました。
そんなフセイン・チャラヤンも、最近のコレクションはおとなしく(?)なってきました。
欲しい、着たい!(高いけど…)
素直すぎたコンセプトはより洗練されて。いやあ、素敵。
ベロアのコートやツイードのパンツ、計算された切り替えのラインが、まるで彫刻のように
構築しています。服とは原型の段階では人の体格に合わせ、人らしいラインを魅せるのですが、
あらたに「人の形」を再構築するかのようなコレクションです。それは人らしいより人らしく、またアイデンティティを表すかのようで、私は「ああ、凄い!」と圧倒されるばかりでした。
彼の魅力は服のデザインをしていない点にあるのではないかと私は考えます。まるで「新しい人間性」を構築しているような気がしてならないのです。
本当にフセインチャラヤンが魅力的で好きです。
「チャラヤン」にブランド名称を変更してから、まだ4年ほどしか経っていませんから、今後も気になります。

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